さて、舛添氏の今回の顛末にについて、私の思うことシリーズ第二弾。
どうして、彼の人は、あそこまで叩かれたのであろうか?というところに、言及してみたい。
まぁ、一番に感じたマスコミの姿勢やあり方については、また別の問題と思うので、ひとまずここでは、そこはおいておくことにする。
なぜなら、マスコミの報道体質や、姿勢・傾向については、何も、今回の舛添騒動だけに限ったことではない。
色々と思うことは、昨日今日に始まったことではないのだ。
このことについては、いずれ、また機会があれば、別の切り口で切りこんでみたいと思う。
さて、本題に話を戻そう。
どうして、かの舛添要一氏はあそこまで、世間に叩かれまくったのか?ということ。
私が思う、その原因は2つある。
ひとつは、この問題の根本原因である、やはり公金に対する公私混同問題や高額出張、美術品の購入等々の諸問題。
これはもう、この問題の原点であり、おそらく、この実態を知って眉をひそめぬ人はいないのではなかろうかというところかと思われる。
でも・・・、どこかで、一部の舛添氏擁護派の人たちが言うように、「何で舛添さんだけが・・・・」という理屈も、正直なところ、私個人的にはわからないでもない気がしている。
多分、いや、これはまちがいなく、氷山の一角で、事の大小はともかくとして、本質的な問題の部分は、おそらく他の道府県、いや国レベルでもあるのではないかと推察する。
だがしかし・・・・・。
だからといって、それでいいという理屈にはならない。
判明した以上は、説明責任を果たしてもらうというのは当然のこと。
「潜在的な違反者がたくさんいるんだから、僕だけ見つかって、責任を追及される必要はないでしょう・・・」とは、どんな世界のルールでも通じる話ではない。
それは、ダークな闇の世界、いや動物の世界でさえ、それは”掟”とか”けじめ”という形で、必ず制裁はあろうかというもの。
それが、組織とかなんだとかいう以前のこととして、動物集団にでさえ存在する、社会構造的な自然のルールなのである。
そして、この舛添氏・・・・・。
これがまた、おもしろいくらいに次から次へと様々な問題が出てくるのだ。
一体、どんだけ無茶してまんの・・・・と、思えるほど。
これはやっぱり、マスコミがどうとか言う以前に、世間の注目が集まっても致し方がないというもの。
なにせ、公人なんだから。
そして、もう一つの理由とは・・・・・・・。
はっきりと一言でまとめてしまうと、人としての浅ましさ・・・・・かな。
あの舛添氏のことを、「頭のいい人だから・・・・・」って言っていた人がいるが、果たしてそうか?
学術的には、それは出るところ出ているので、優秀なのかもしれないが、人としては完全におバカさんであろう。
申し訳ないが、かの人を指して、”頭がいい”というのなら、私は、高卒で必死に自分の人生を切り開くために努力している、本当に”頭のいい”人を何人も知っている。
ハッタリと知識量だけで、仕事は廻らないのは働くビジネスマンなら自明のこと。
舛添氏がおバカさんと思えた、その理由は、言わずと知れた、問題発覚後の定例会見等での氏の態度姿勢のことである。
全国放送されている定例会見での、あの、まるで子供のような応対姿勢は、都民はおろか国民レベルで怒りの標的になってしまったということ。
まず、端的に言うと社会的に通用しないのだ。
舛添氏は本気であの姿勢が通用すると思っていたのであろうか。
与党の後ろ盾があるから、とりあえず、表面的な対応で時間稼ぎをしていればいいと思ったのであろうが、結果的に、世間の反応が自分の予想外になってしまった。
早い話が、読みを誤ったということなのだろうが、それは裏を返すと、いかに世間が見えていないかということ。
でも、それは一般的な感覚からすれば、あの対応では誰も納得できるものではないことはわかり切ったこと。
もう世間が見えていないというどころではなく、社会が見えていない・・・・・、いや、常識がわからないのだと言わざるを得ない。
こんな人に都政が担えるのか?ということが、大幅にクローズアップされてきたということ。
つまり、自分で自分の首を絞めたわけであり、火災現場で初期消火を完全に間違えてしまったということに他ならない。
氏自身でも、「こんな性格なので・・・・」と、いうような発言もあったようだが、これは正確ではない。
性格などというものではなく、もはや人としての資質の問題であろう。
自分の発言や態度がどんな展開になるのかということが読めないのである。
さらに、自身を客観的に見つめることもできない。
あくまでも自分が中心だから、「学者出身だから、生意気なことを言っているように映ることもあると思うんです・・・」とか、「こういう場での受け答えにしても、こういうタイプですから理論的なことが先行すると思う・・・」とかの、もう、とことん困ったちゃん発言を堂々としてしまうわけなのである。
聞いている方は、もう呆然・・・・・・。
「コノヒトハ、ナニヲイッテイルンダ・・・・」状態である。
こういうことを言うと、人の耳にはどう伝わるんだろうとか、どういう展開になっていくのかということの先が読めないのである。
いわゆる、風が吹けば桶屋が儲かる的な発想ができないのであろう。
これはもう、頭のいい人とは、私には、何がどう転んでも思えないのだ。
都議会内部、与党との連携が期待できていたのか、一時期、強気な表情をしていた時もあったが、世間・世論を理解することができなかったということ。
もう、これだけで、都知事、いや人の上に立つ仕事への資質は大いに問われるというもの。
私は、離職に至るまでの舛添氏がこれだけ追いこまれたのは、この二つが要因であると考えるのだが、最初の問題が発覚した時点で対処を間違えさえしなければ、ここまで問題は大きくならなかったと思う。
むしろ、その後の対処を間違えただけに、どんどん収拾がつかなくなり、本来、元々たいして興味を持っていなかった層の人達にまで、この問題を注目させてしまったように思うのだ。
すべてにおいて、氏自身のコンプライアンス意識が著しく欠如(もしかして皆無?)しているということなのであろう。
また、舛添氏の人望的な問題もあるのか、よい側近が回りいなかったのも不幸であったのかもしれない。
あるいは、きちんと進言をする側近がいたにも関わらず、氏本人が聞く耳も持たなかったのか?
もしそうなら、それはもう、自業自得としかいいようがない。